
今年も残す所、後数日。
見ていたドラマも順番に最終回を迎えていきました。
今クールの秋のドラマは、『ゴーイングマイホーム』と『結婚しない』を見ていたのですが、『ゴーイングマイホーム』は、久しぶりにすごいなぁと思えるドラマでした。
地味っちゃあ地味なんだけど、普通の生活を普通過ぎるくらい普通に、そして日常のユーモアたっぷりに、そして家族の何気ない暮らしぶりをとても温かく描ききっていたドラマで、他のドラマとは確実に一線を画す出来だったと思います。
普通な事を普通に映す事って、演出をしたものを映すよりもずっと難しいんだけれど、それをなんなく映しきっている事に、是枝監督の実力の高さが伺えます。
カメラの撮り方、色合い、間の使い方、全てが奥深く、それに加えて阿部寛、山口智子を始め、宮﨑あおい、西田敏行など実力派俳優の織りなす人間らしく、普通な世界観がすばらしかった。
久しぶりにとても満足できるドラマでした。
『普通』な事を『意図的』に『普通』に表現する事って簡単なようで一番難しいと感じるんですよね。
でもそれにしてもこの低視聴率・・・、どうしてだろうかと不思議。
『家政婦のミタ』よりもずっと面白かったと思うんだけど・・・。
やっぱあれですかね、ドラマとしては派手にぶっ飛んでるものの方が今時の日本人好みなんでしょうか。
あと、『平清盛』も。
一年間見てストーリーも演出も本当によく考えられているし、時代風潮を表現するような意図的な荒い映像も個人的には美しいと思う。音楽もとても繊細で力強い音楽だし、低視聴率なのがこれまた不思議。
どこかの知事が初回でクレーム付けたのが結構影響してるんじゃない?としか思えない。
『ゴーイングマイホーム』にしても、『平清盛』にしても、地味だけど心の深い部分をくすぐってくれるような雰囲気がある。そういうのって、カンヌとかそういう映画祭に出たら芸術性として評価は高いと思うんだけど、日本人受けするのはまた違うんでしょうかね。